俺は夢をみた。とっても懐かしい夢だ。そこは俺らがいる世界とは違う。まるで
天国にいる感じだ。何故だろう。俺はこんなとこ行ったことがないのに。二人の
天使を見つけた。お互いに愛し合っているようだ。それを見てるとまた懐かしさ
を思い出す。そんなときどこからか目覚まし時計が鳴った。
運命の道 God children
第一話 劇的な部活
今は朝の7時半になったところだ。俺はいつものように目覚ましのアラームで目を
覚ました。
優馬(あの夢は一体なんだったんだ・・・・・。 なんかすごい懐かしい感じがし
たんだが。)
俺の名前は有沢優馬。普通の高校生だ。最近は何にもなくてつまらない日常生活
を送っている。母さんに呼ばれ、ご飯を食べに行く。今日の朝食もいつものとお
りだ。本当に最近つまらない。食事を終えたあと、学校の制服に着替えて、さっ
さと学校に行った。今朝みた夢のことを考えていた。今日みた夢はいつも見る夢
と違って現実感があった。まるで自分が現場にいたかのように。そう考えてる時
間が長かったのか、すぐに学校に着いた。俺が通っているのは神明高校だ。この
学校は比較的、自由な高校なので受験する人が多い。頭のすごいいい人もいれば
すごい頭の悪い人もいる。俺は教室に向けて歩きだした。俺らの教室は4階にある
。だから、朝から4階まで登るのはきつい。やっと教室についた。俺はいつものよ
うにドアを開け、自分の席に座り、前の席の子に挨拶をした。
優馬「おはよう~。」
その瞬間、優馬が挨拶した子が、突然殴ってきた。 夏純「てい!!!」
優馬「ぐはっ!!」
殴った凶器は広辞苑だった。優馬は倒れたが、すぐに起き上がって言った。
優馬「いきなり何すんだよ!?」
夏純「いや~なんとなく。」
こいつは来栖夏純。俺の同級生で、俺の親友でもある。趣味は読書だ。あいつの
鞄には基本、本が入っている。基本的にマイペースなやつだ。
優馬「お前はいま何で殴った!?」
夏純「広辞苑だよ~。」優馬「そんな喜んだ顔でいうな!! ってかそんなもん
で殴るなよ!!」
夏純「いや~なんとなく殴ってみたくて。」
優馬「くそ~。 おかえしだ~!!」
優馬は夏純に殴り掛かった。しかし、それはあっさり止められた。
夏純「静かにして。本が読めないだろ。」
優馬「なんでお前はそんなにマイペースなんだよ!!っていうか謝れ!」
夏純「嫌だ。」
優馬「ぐっっっーーーー!!」
いつもの朝はこんな感じではなかった。夏純がこんなことをするのは珍しかった
。こんな気持ちになるのは初めてだ。
優馬「何読んでんだよ!?」夏純「広辞苑だ。」
俺は驚いた。普通の人間は広辞苑なんか読まない。普通は意味のわからない単語
などを引くときに使うものだ。それを読むなんて信じられない。
優馬「なんでそんなもの読んでんだよ!?」
夏純「気分だ。」
優馬「気分って・・・・。」
こいつはいつもマイペースだな。その時、教室のドアが開いた。入ってきたのは
女性の制服をきてるやつだ。こいつの名前は黒桐・S輝月。俺らはルミナって呼ん
でる。常に明るいのはすべてこいつだ。まあそのおかげでいつも周りが明るいん
だが。
輝月「ういーっす。元気にしてる?」
優馬「あいかわらず朝からうるさいやつだな。」
輝月「いいじゃん。朝からこのテンションじゃないとやっていけないんだって。
」
優馬「そうだ。昨日の古典の板書うつさせてくれ。」輝月「何言ってんのさ。私
がそんなものとってるのわけないでしょ。」
優馬「お前に聞くんじゃなかったよ。」
輝月「悪かったわね。」
優馬「じゃあ夏純。見せてくれない。」
夏純「なんで俺が。貸さないよ。」
そう言い終えると広辞苑を閉じて、俺の頭に叩いた。
優馬「いてっ!!。いきなり何すんだよ!?」
夏純「とにかく貸せないんだ。」
輝月「ドンマイ! そうそう優馬って部活入ってる?」
優馬「いや。入ってないけど、それがどうしたん?」輝月「実はさ、2ヶ月後に寸
劇をしなきゃいけなくてメンバーが足りなくてさ、それで優馬にも協力してほし
かったんだけどいいかな?」
優馬「べつにいいけど。」輝月「やったー!! じゃあ放課後に行きましょ。ちな
みに夏純がこんな風になったのもあたしたちおかげなの。」
優馬「そうなんだ・・・・(どうなったらあんな風になるんだよ!!)」
俺は心のなかでそう思った。しかし内心はうれしかった。一体これからどんなこ
とが待ち受けているのかと楽しい思いだ。俺らの学校はスポーツより文化系の部
活が活躍するほうが多い。演劇部の活躍はよく聞いている。大会なんかはいつも
県大会に出場するほうだそうだ。それだけ実力があるということだろう。演劇部
がいつも活動しているのは神立会館というところだ。ここは本校舎の裏に建てら
れており、本来は勉強するために建てられたらしい。現在は1年生が、数学の個別
授業をするときにこの場所を使っている。
夏純「さあて、中に入ろうか。」
優馬「なんで俺から入るんだ?普通は部員のやつから入るだろう。」
俺らは長い授業を終えたあとに神立会館に向かった。そしてその建物の前にいる
。
夏純「いいからさっさと入って。」
夏純は俺の背中を押しつづけた。
優馬「そういえば輝月はどうしたんだ?」
夏純「用事があるから先に行っててって言ってた。」用事って一体なんだ?自分
から誘っておいて。俺は輝月とは普段は仲がいいが、あいつの私生活はわからな
い。俺は夏純に背中を押されながらも、神立会館に入った。入ってすぐ右のとこ
ろにドアがあった。どうやらそこが、演劇部の活動場所らしい。
優馬「ここがそうなのか?」
夏純「ああ。たぶんみんな集まってるよ。」
俺は恐る恐るドアをあけた。そこで見たものは本当にこれが部活なのか、と疑っ
た。何故ならば、演劇の練習を全然せずに変なことをやっている人が多いからで
ある。ある人は巫女のような服を着て何かを祈っている。またある人はアニメに
出てきそうなキャラをまねをしている。またある人は、こんな馬鹿騒ぎのなか眠
っている。俺の第一印象は変な部活だ!っと心の奥底から叫びたくなるようだっ
た。だが、我慢が出来ずにそれを言ってしまった。
優馬「なんじゃこりゃあ!!!」
こんなことを聞いたみんなは当然のようにびびり、静になった。そして一同はこ
っちを向いた。
浩志「お前は一体誰だ!?人がせっかくいい気分で演じていたのに~。」
優馬「(一体何を演じていたんだ!! っていうかなんだよその格好!!)」
その男はアニメにでてくるようなキャラで、さらに声色を変えて言ってきた。
瑞紀「なになに、その人新入部員なのですか?」
夏純「ああ。輝月がこいつを誘ったんだよ。」
優馬「なんだよこの子!!学校でなんで巫女服なんか着てるんだ!?」
瑞紀「だって祈ることは巫女の勤めですから。」
優馬「だからってこんなとこでやらなくても・・・。」
瑞紀「常に祈ってないと不安なんですよ。」
俺は多少あきれた。なんか嫌な展開だ。
夏純「じゃあ一人ずつみんなを紹介するな。」
巫女の格好をしているのは一条瑞紀だ。家は神社で、次期巫女になるそうだ。だ
が実のところ男だそうだ。瑞紀「よろしくなのです~。」
優馬「ああ。(絶対変だっつーの!)」
夏純は俺のペースなどおかまえなしに、話をどんどん進める。
夏純「こいつは中桐浩志だ。」
浩志「よろしく頼む。」
優馬「ああ・・・・。(こいつら絶対普通じゃない・・・・)」
さっき紹介があったように、このコスプレをしてるのが中桐浩志だ。普段の趣味
がコスプレらしい。得にクールなアニメキャラのコスプレが大好きだそうだ。一
体何がなんだかわからない。俺もアニメは好きだが、そこまでするか。
浩志「先輩はアニメは好きですか?」
優馬「ああ。好きだけど。」
そして浩志に自分の好きなアニメを話した。その瞬間彼の性格は急変した。
浩志「ですよね!! あのアニメ僕大好きなんですよ~。あとでゆっくり話しましょ
う。」
優馬「ああ、そうだな。(なんでいきなり性格が変わるんだ!! クールなキャラ
から一変したぞ!!)」
改めてやっぱり変なやつらが多い。こんな環境だから夏純も変になったのか。俺
もこんな感じになったらどうしよう・・・・。 そして夏純は次の人を紹介した。
夏純「このいつも寝てるのは、榊原遼介だ。そろそろ起きて。」
遼介は眠そうながらも起きて挨拶をした。
遼介「あれ?夏純さん、この人新入部員ですか?」
夏純「ああ。俺の友達の有沢優馬だ。」
優馬「(ようやくまともな人がいたよ。)遼介君これからもよろしく。」
遼介「はい。よろしくです。」
そう言い終わった遼介は一礼したあとすぐに眠ってしまった。
一体また寝るってどういう事だよ!とおもった。この部活にはまともな人はいな
いのかと思いながら自己紹介がどんどん続いていく。今度は窓にいる男の紹介に
はいった。その子は眼鏡をかけていて、大人しそうな顔をしている。印象として
は結構いい感じだ。
優馬「あの~。今度この部活に入ることになった、有沢優馬です。よろしく。」
幸「ああ、俺は新井幸っていうんだ。よろしく。」
よかった~と心のなかで安心していると思った。しかし、その期待はすぐに裏切
られた。彼の腰のあたりをよくみるとナイフがあった。
優馬「(なんだよ!? なんで腰にナイフがあるんだ!? これで何も言われない
なんておかしすぎる!」夏純「そうそう、幸は極度の軍人ファンなんだよ。」だ
からっとナイフなんかもつか? 普通だったらありえねぇ。俺はひっくり反った。
夏純「おい、大丈夫か?」優馬「ああ。(心は全然大丈夫じゃないって!!)」
そういうわけで俺はこの演劇部に入ることになってしまった。俺は椅子に座って
心を落ち着かせた。自分になんども言い聞かせた。俺は正常なんだと。そんなこ
とをしているとドアが開かれた。そこからはすこし背の低いかわいい。女の子が
入ってきた。
夏純「おお悠じゃん。」
悠「は~い。こんにちは。」
夏純「優馬、紹介するぜ。この子は大那岐悠だよ。悠、こいつは俺の同級生で新
入部員の有沢優馬だ。」
優馬「よろしく。」
悠「はい。こちらこそよろしくお願いしますね。」
この子の第一印象は他の部員と違っていて、とても真面目そうな顔をしていた。
俺は改めてホッとした。ようやくいい人が来たんで気持ちが楽だ。 そんな時、夏
純はかばんから広辞苑を取り出して今朝の俺を殴ったような感じで悠を殴った。
夏純「てい!!」
悠「痛っ!!
いきなりなにするんですかぁ~。」
悠は半分べそをかいている。
夏純「本当にいじりやすいな~。」
悠「ひどいですよ~。いきなり本の角でなぐるなんて。」
夏純「本当はうれしいくせに。かまってほしいんだろ?」
悠「そんなことは絶対ないですって!!」
なんてかわいそうなんだ。であった瞬間から人を殴るなんて。ひょっとしたらこ
の子はすごいMなのかと思ってしまう。確かに夏純の気持ちも分かるような気がす
るなと思う。こういうわけで俺の新しい生活が莫をあけた。
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